C-MAC youth

お問い合わせ・質問
C-MAC Youthでは MRI 初心者の皆様からの質問を募集しております。下記フォーマットよりお気軽にご質問ください♪
≫ 注意事項 ≪
- 頂いた質問は勉強会で紹介することがあります。
当月の勉強会テーマに即した質問を優先的に紹介いたします。時間の都合上勉強会で取り上げることができなかった質問は、当ホームページにて回答いたします。
- 内容によっては回答しかねる場合がございます。
こんなこと聞いたら恥ずかしいかな?他の研究会ではなかなか聞けない…といった、MRI 初心者の皆様からの質問を募集しております。C-MAC Youth への質問をぜひお待ちしております♪
Q&A
QUESTION AND ANSWER
勉強会の時間内でお答えできなかった質問のお返事です。
第1回勉強会
「膝の撮像でT2WIではなくてT2*WIを用いることがあるのはなぜでしょうか?」
T2WIでは筋肉、腱、軟骨などのコントラストが付きにくいですが、GRE法であるT2*WIでは脂肪組織の信号が減衰し、これらのコントラストが良くなるためだと考えます。
(筋肉:中程度信号、腱:低信号、軟骨:弱高信号)
ただしT2*WIの欠点もあります。
①GRE系シーケンスなのでアーチファクトが出る
②偽陽性が多い(整形外科医に確認しました)
以上の理由から、当院ではPdWI(プロトン密度強調像)を撮像しています。
通常のPdWIではT2減衰の影響をなるべく避けたいので、TEを最短(10~20ms)に設定するのが望ましいですが、膝関節では軟骨と周辺組織のコントラストをつけたいので、TEを通常よりも少し長め(30ms程度)に設定しています。
PdWIなのでSNも良く、アーチファクトも比較的少ないので採用されています。
また、軟骨イメージングでは基本脂肪抑制を用いて、軟骨の信号を持ち上げて診断を行いますので、FS PdWIの撮像も行っています。
結局はDrの好みになりますので、一つの意見として聞いていただければと思います。
T2WIでは筋肉、腱、軟骨などのコントラストが付きにくいですが、GRE法であるT2*WIでは脂肪組織の信号が減衰し、これらのコントラストが良くなるためだと考えます。
(筋肉:中程度信号、腱:低信号、軟骨:弱高信号)
ただしT2*WIの欠点もあります。
①GRE系シーケンスなのでアーチファクトが出る
②偽陽性が多い(整形外科医に確認しました)
以上の理由から、当院ではPdWI(プロトン密度強調像)を撮像しています。
通常のPdWIではT2減衰の影響をなるべく避けたいので、TEを最短(10~20ms)に設定するのが望ましいですが、膝関節では軟骨と周辺組織のコントラストをつけたいので、TEを通常よりも少し長め(30ms程度)に設定しています。
PdWIなのでSNも良く、アーチファクトも比較的少ないので採用されています。
また、軟骨イメージングでは基本脂肪抑制を用いて、軟骨の信号を持ち上げて診断を行いますので、FS PdWIの撮像も行っています。
結局はDrの好みになりますので、一つの意見として聞いていただければと思います。

「MRCPで濃縮胆汁の時にはTEはどのくらいまで下げていますか?」
濃縮胆汁とは胆のうの炎症や閉塞などが原因で胆のう内の胆汁が凝縮されてしまう状態のことですね。
濃縮胆汁をいつものMRCPで撮像すると、胆のう・胆のう管が描出されないことによる胆石の描出不良や、外科の術中支援のための形態的構造の観察がしにくくなることが問題になります。
ではどのくらいTEを調節すればよいのか?というご質問の答えですが、当院では濃縮胆汁の所見があった場合には技師の判断でTE 400ms程度で息止め3D MRCP(FSE)を撮像しています。
(通常ルーチンは呼吸同期でTE 650ms程度)
TE400ms程度でも場合によってはまだまだ描出しにくいこともあります。
施設によってはTE300msの2D MRCPを追加したり、BalancedSSFPを利用した息止め3D MRCPを撮像したり、GRASE法(Philips)を利用した息止め3DMRCP(TE 100ms)を利用したりしているそうです。
濃縮胆汁の特徴は、T1WIで高信号・T2WIで高~等信号・MRCPで胆のうが見えない等なので、このような所見に気づいた際にはぜひ条件の検討をしてみると良いかもしれません。
濃縮胆汁とは胆のうの炎症や閉塞などが原因で胆のう内の胆汁が凝縮されてしまう状態のことですね。
濃縮胆汁をいつものMRCPで撮像すると、胆のう・胆のう管が描出されないことによる胆石の描出不良や、外科の術中支援のための形態的構造の観察がしにくくなることが問題になります。
ではどのくらいTEを調節すればよいのか?というご質問の答えですが、当院では濃縮胆汁の所見があった場合には技師の判断でTE 400ms程度で息止め3D MRCP(FSE)を撮像しています。
(通常ルーチンは呼吸同期でTE 650ms程度)
TE400ms程度でも場合によってはまだまだ描出しにくいこともあります。
施設によってはTE300msの2D MRCPを追加したり、BalancedSSFPを利用した息止め3D MRCPを撮像したり、GRASE法(Philips)を利用した息止め3DMRCP(TE 100ms)を利用したりしているそうです。
濃縮胆汁の特徴は、T1WIで高信号・T2WIで高~等信号・MRCPで胆のうが見えない等なので、このような所見に気づいた際にはぜひ条件の検討をしてみると良いかもしれません。

「試したことはないのですが、ターボファクター0での通常のSE法で身体を撮像した場合、T2WIで脂肪は低信号になるのでしょうか?」
ターボファクターとはFSE法におけるエコートレイン数(ETL)のことですね。また「ターボファクター0での通常のSE法」というのは、コンベンショナルSE法(CSE法)のことでしょうか。CSE法はあえて言うのであれば、ターボファクター(ETL)が「0」ではなく「1」になるかと思います。(ETLが0であれば、エコーを1つも収集していないことになってしまいます)
本題ですが、ETLが1であるCSE法でのT2WIは、恐ろしく時間がかかるので
(撮像時間=TR×NEX×位相エンコード数なので、例えば5000ms×2×256=42.7分!)
確かになかなか撮ることはありませんね。
脂肪のT2値は水ほど長くはなく、T2WIで脂肪が低信号に見える教科書も見受けられます。
FSE法では脂肪に対してMT効果が働かず、Jカップリングが作用しにくいため高信号となります。
このように脂肪信号に関しては、FSE法>SE法という特徴は大切なポイントですね。
ではどのくらい低信号になるのかに関しては、マルチスライスで撮るかシングルスライスで撮るかによってもMT効果の影響で変化するかもしれません。
実際に撮像した画像もあるのですが、ここではお見せしにくいので、今後の勉強会で詳しく取り上げられる機会がありましたら、是非実際の画像を一緒に見比べてみましょう!
ターボファクターとはFSE法におけるエコートレイン数(ETL)のことですね。また「ターボファクター0での通常のSE法」というのは、コンベンショナルSE法(CSE法)のことでしょうか。CSE法はあえて言うのであれば、ターボファクター(ETL)が「0」ではなく「1」になるかと思います。(ETLが0であれば、エコーを1つも収集していないことになってしまいます)
本題ですが、ETLが1であるCSE法でのT2WIは、恐ろしく時間がかかるので
(撮像時間=TR×NEX×位相エンコード数なので、例えば5000ms×2×256=42.7分!)
確かになかなか撮ることはありませんね。
脂肪のT2値は水ほど長くはなく、T2WIで脂肪が低信号に見える教科書も見受けられます。
FSE法では脂肪に対してMT効果が働かず、Jカップリングが作用しにくいため高信号となります。
このように脂肪信号に関しては、FSE法>SE法という特徴は大切なポイントですね。
ではどのくらい低信号になるのかに関しては、マルチスライスで撮るかシングルスライスで撮るかによってもMT効果の影響で変化するかもしれません。
実際に撮像した画像もあるのですが、ここではお見せしにくいので、今後の勉強会で詳しく取り上げられる機会がありましたら、是非実際の画像を一緒に見比べてみましょう!

第2回勉強会
「T2強調画像について、どこの部位だと TR 2000 で撮像できますか?」
臨床においての、SE(Spin Echo)法のT2強調画像のTRの設定値を調べました。
多くの教科書や参考書にはT2強調画像はTR=2000~4000msと記載があります。
上腹部など呼吸同期やSingle shotで息止め撮像する場合、その他MRCPでHeavyT2を撮像する際などは1000~2000、その他の設定条件により1000以下の設定にする必要があります。
その他、現場で使用するFSE法はTRを3000ms以上に設定していることが多く、特に前立腺や婦人科系はその値を大きくとっております。
混在する成分のT1を強調しないため、十分なTRが必要だからです。
時間との兼ね合いで可能な範囲で短くとお伝えしましたが、3000ms以上、部位によっては4000ms以上に設定する必要がありますので、各施設でご確認ください。
以下は磁気共鳴学会の推奨プロトコルに記載されていたTRです。
頭部4000ms以上
頚部3000~6000ms
脊椎3000~4000ms
前立腺4000~6000ms
婦人科系4000~7000ms
臨床においての、SE(Spin Echo)法のT2強調画像のTRの設定値を調べました。
多くの教科書や参考書にはT2強調画像はTR=2000~4000msと記載があります。
上腹部など呼吸同期やSingle shotで息止め撮像する場合、その他MRCPでHeavyT2を撮像する際などは1000~2000、その他の設定条件により1000以下の設定にする必要があります。
その他、現場で使用するFSE法はTRを3000ms以上に設定していることが多く、特に前立腺や婦人科系はその値を大きくとっております。
混在する成分のT1を強調しないため、十分なTRが必要だからです。
時間との兼ね合いで可能な範囲で短くとお伝えしましたが、3000ms以上、部位によっては4000ms以上に設定する必要がありますので、各施設でご確認ください。
以下は磁気共鳴学会の推奨プロトコルに記載されていたTRです。
頭部4000ms以上
頚部3000~6000ms
脊椎3000~4000ms
前立腺4000~6000ms
婦人科系4000~7000ms

「TR に関してですが、DWI を撮像する場合は TR 8000 で1acq で撮るのと、TR
4000 で2acq で撮るならどちらがいいのでしょうか?」
過去の文献でTRの変化に対するDWI像のSNRとコントラスト比の変化をまとめているものがありました。
どちらもTRを上げるほど高い値になりますが、6000ms程度でプラトーとなりました。
ご質問の2択では撮像時間の差も少ないですから 、理論上TR 80001acqの方が良いと思います。
ただ、TRは大きければ大きいほど良いというわけではないようです。
T2 Shine Throughの影響を考慮しなければならないため、妥当なラインでは目的組織やその周囲のT1値の2倍くらいのTRと言われているそうです。
また、クロストークが原因で、再構成像に階段状のアーチファクトが発生することがあります。
このような場合には分割で撮像することで影響が軽減されるという報告例もありますので、神経をターゲットとした際などには参考にしてみてください。
参考文献 「拡散強調画像におけるTRの変化とShine Through影響に関する基礎検討」日本放射線技術学会東北支部雑誌(Web) (Tohoku Journal of Radiological Technology (Web) 2018)
過去の文献でTRの変化に対するDWI像のSNRとコントラスト比の変化をまとめているものがありました。
どちらもTRを上げるほど高い値になりますが、6000ms程度でプラトーとなりました。
ご質問の2択では撮像時間の差も少ないですから 、理論上TR 80001acqの方が良いと思います。
ただ、TRは大きければ大きいほど良いというわけではないようです。
T2 Shine Throughの影響を考慮しなければならないため、妥当なラインでは目的組織やその周囲のT1値の2倍くらいのTRと言われているそうです。
また、クロストークが原因で、再構成像に階段状のアーチファクトが発生することがあります。
このような場合には分割で撮像することで影響が軽減されるという報告例もありますので、神経をターゲットとした際などには参考にしてみてください。
参考文献 「拡散強調画像におけるTRの変化とShine Through影響に関する基礎検討」日本放射線技術学会東北支部雑誌(Web) (Tohoku Journal of Radiological Technology (Web) 2018)

第4回勉強会
「髄膜炎などで造影後にFLAIRを撮像することはありますか? 初心者でいまいち原理がわからないので教えていただきたいです。
」
ご質問の通り髄膜炎では造影後にFLAIRが有用なことがあります。
その原理としていくつか理由がありますので、ご紹介します。
①(造影前でもそうですが)FLAIRではCSFが無信号のため、隣接する髄膜・脳神経・皮質病変が目立つため。
②FLAIRはTR・TEともに長いので、基本的にはT2強調画像のコントラストです。T2強調像なのになぜ造影効果があるの?と不思議に思われるかもしれませんね。ポイントは髄膜炎の造影剤濃度に関係しています。 T1が長いような個所(病変部は基本的に正常より長い)に造影効果が生じると、縦磁化は一気に回復します。今回の勉強会の内容にもありましたが、T2強調ではT1強調よりもT2短縮の影響を受けやすいので、造影剤が”高濃度”であればT2減衰の影響を強く受けて信号強度は低下します。 一方で髄膜炎は造影剤で染まりますが、それほど”高濃度”ではないという文献があります。このように造影剤が”陽性効果優位な程度に低濃度”であるため、T2減衰はそれほど起こらず、信号強度は高信号となると考えられています。
③血管内は造影剤が高濃度となるので、造影FLAIRでは高信号にならず、脳表と正常血管との区別がつきやすいため。
④FSE-FLAIRではMT効果によって脳実質が信号が低下するので、造影効果で信号増強された病変とコントラストが付きやすいため。
ご質問の通り髄膜炎では造影後にFLAIRが有用なことがあります。
その原理としていくつか理由がありますので、ご紹介します。
①(造影前でもそうですが)FLAIRではCSFが無信号のため、隣接する髄膜・脳神経・皮質病変が目立つため。
②FLAIRはTR・TEともに長いので、基本的にはT2強調画像のコントラストです。T2強調像なのになぜ造影効果があるの?と不思議に思われるかもしれませんね。ポイントは髄膜炎の造影剤濃度に関係しています。 T1が長いような個所(病変部は基本的に正常より長い)に造影効果が生じると、縦磁化は一気に回復します。今回の勉強会の内容にもありましたが、T2強調ではT1強調よりもT2短縮の影響を受けやすいので、造影剤が”高濃度”であればT2減衰の影響を強く受けて信号強度は低下します。 一方で髄膜炎は造影剤で染まりますが、それほど”高濃度”ではないという文献があります。このように造影剤が”陽性効果優位な程度に低濃度”であるため、T2減衰はそれほど起こらず、信号強度は高信号となると考えられています。
③血管内は造影剤が高濃度となるので、造影FLAIRでは高信号にならず、脳表と正常血管との区別がつきやすいため。
④FSE-FLAIRではMT効果によって脳実質が信号が低下するので、造影効果で信号増強された病変とコントラストが付きやすいため。

「アダムキュービッツを描出する際に、秒4くらいの速度で注入した経験があるのですが、高速で注入しすぎると造影剤の信号がT2短縮効果の影響で低信号になる恐れもありますでしょうか?
」
大動脈瘤・大動脈解離診断ガイドラインではtime-resolved MRAが推奨されています。この方法では造影剤を3~4mL/s程度の速度で急速静注しながら高速撮像で1回あたり10秒程度の撮像時間で同じ場所を繰り返し撮像します。MRIでの診断能は69~84%と言われています。他には0.2mL/sで低速静注しながら撮像する方法もあるそうです。
大動脈瘤・大動脈解離診断ガイドラインではtime-resolved MRAが推奨されています。この方法では造影剤を3~4mL/s程度の速度で急速静注しながら高速撮像で1回あたり10秒程度の撮像時間で同じ場所を繰り返し撮像します。MRIでの診断能は69~84%と言われています。他には0.2mL/sで低速静注しながら撮像する方法もあるそうです。

「尿管腫瘍疑いで造影MRIが依頼された場合、プロトコルはどうされていますか?撮像シーケンス、造影剤量や撮像タイミングなどを教えてもらいたいです。」
回答者の施設では目的によって造影剤量は変えていません。(以前は腎・尿管系は造影剤量半量にしていたそうですが造影効果が薄いことがあるとのことで通常量になったそうです) 尿管腫瘍は造影CTの診断能が優れるため特別な理由がないためMRIでスクリーニングを行うことはありませが、回答者が確認した範囲ではT2、fsT2、DWI、T1等の一般的な腹部のシーケンスに加えてMRUの撮像とMIP像の作成で検査を行っています。MRUは単純で撮像しており造影検査は行っておりません。 勉強会の指定教科書の「MRI自由自在」では、腎系は造影剤半量、urographyでは1/5程度とされています。
回答者の施設では目的によって造影剤量は変えていません。(以前は腎・尿管系は造影剤量半量にしていたそうですが造影効果が薄いことがあるとのことで通常量になったそうです) 尿管腫瘍は造影CTの診断能が優れるため特別な理由がないためMRIでスクリーニングを行うことはありませが、回答者が確認した範囲ではT2、fsT2、DWI、T1等の一般的な腹部のシーケンスに加えてMRUの撮像とMIP像の作成で検査を行っています。MRUは単純で撮像しており造影検査は行っておりません。 勉強会の指定教科書の「MRI自由自在」では、腎系は造影剤半量、urographyでは1/5程度とされています。

「造影後のT1WI脂肪抑制併用撮像時、chess法を用いずにGRE系のopposed phase(TE2.3ms付近)で撮像するのはありでしょうか?
やはり、chess法やSPAIR等を併用した方が良いのでしょうか?
教えてください。」
当日の回答では頭部に関しての質問と勘違いしてしまい趣旨と異なる回答をしてしまいましたが、他の部位だと磁場の不均一を考えてoppで撮像することもあります。その場合“paradoxical suppression”の影響も考慮しなくてはいけません。 パネリストの経験談ですがoppのほうが造影効果を確認しやすいこともあるそうです。
paradoxical suppressionとは:
造影後opp phase画像で造影前よりも信号が低下する現象。oppではpixcel内の水(Mw)と脂肪(Mf)の差分の絶対値 |Mw - Mf| が信号強度になります。pixcel内に多くの脂肪と少しの水が混在していたとして造影すると水の信号が増強されて脂肪との差が少なくなり結果として信号強度が低下する。 (例)造影前 Mw 1 Mf 9 |1 - 9|=8 造影後 Mw 6 Mf 9 |6 - 9|=3
当日の回答では頭部に関しての質問と勘違いしてしまい趣旨と異なる回答をしてしまいましたが、他の部位だと磁場の不均一を考えてoppで撮像することもあります。その場合“paradoxical suppression”の影響も考慮しなくてはいけません。 パネリストの経験談ですがoppのほうが造影効果を確認しやすいこともあるそうです。
paradoxical suppressionとは:
造影後opp phase画像で造影前よりも信号が低下する現象。oppではpixcel内の水(Mw)と脂肪(Mf)の差分の絶対値 |Mw - Mf| が信号強度になります。pixcel内に多くの脂肪と少しの水が混在していたとして造影すると水の信号が増強されて脂肪との差が少なくなり結果として信号強度が低下する。 (例)造影前 Mw 1 Mf 9 |1 - 9|=8 造影後 Mw 6 Mf 9 |6 - 9|=3

第5回勉強会
「造影前FLAIRのTI値と造影後FLAIRのTI値は変わりますか?」
FLAIRはCSFの信号を抑制したT2WIです。
造影剤は基本的にCSFに分布しないため、CSFを落とすという意味において造影前と造影後ではTI値を変える必要はないと考えます。
FLAIRはCSFの信号を抑制したT2WIです。
造影剤は基本的にCSFに分布しないため、CSFを落とすという意味において造影前と造影後ではTI値を変える必要はないと考えます。

「救急で頭部撮影を行う場合T2WIは撮るべきでしょうか。現在当院ではDWI FLAIR MRAで運用しています。」
必要ないと考えます。
脳梗塞がいつ発症したのか、DWI+T2WIの信号パターンによって評価しますが、FLAIRがCSFを抑制したT2WIに、DWIの原画像がT2WIとなり、FLAIRを撮影していればその評価が可能になります(DWI-FLAIR mismatch)。
そのため、T2WI追加するより、トータル撮像時間を短くした方が救急の場面では有用だと考えます。
必要ないと考えます。
脳梗塞がいつ発症したのか、DWI+T2WIの信号パターンによって評価しますが、FLAIRがCSFを抑制したT2WIに、DWIの原画像がT2WIとなり、FLAIRを撮影していればその評価が可能になります(DWI-FLAIR mismatch)。
そのため、T2WI追加するより、トータル撮像時間を短くした方が救急の場面では有用だと考えます。

「3T頭部のTIWIでコントラストつけるためにIRパルスを印加すると思うのですが、その場合のTRの適切な値はどのくらいなのでしょうか?」
SIR-SE∝[1-2e(-TI/T1)+e-(TR-TElast)/T1]がT1に影響を与える式となります。
TEを最小に設定し、CSF(3Tで4000ms)のT1値を代入して0になるTI/TRが最適なTRとなります。
また、中枢神経組織コントラストはTR2000ms、TI862msの組み合わせで最も高くなると報告されています。
参考文献:MR of the spine with a fast T1-weighted fluid-attenuated inversion recovery sequence
SIR-SE∝[1-2e(-TI/T1)+e-(TR-TElast)/T1]がT1に影響を与える式となります。
TEを最小に設定し、CSF(3Tで4000ms)のT1値を代入して0になるTI/TRが最適なTRとなります。
また、中枢神経組織コントラストはTR2000ms、TI862msの組み合わせで最も高くなると報告されています。
参考文献:MR of the spine with a fast T1-weighted fluid-attenuated inversion recovery sequence

第10回勉強会
「中足骨の撮像はどうしていますか?」
発表担当者の施設での例をご紹介します。
位置決め画像撮像後、目的部位(足趾側か足底か)に応じた修正位置決め画像を撮像します。
3方向ともに中足骨が確認できたところで本撮像にうつります。
中足骨を横断像で1断面に収めるのは困難なため、目的部位がわかっている、もしくはSTIRなどで炎症部位が特定できれば、目的の足趾が広く描出できるようなスライス面に設定します。
発表担当者の施設での例をご紹介します。
位置決め画像撮像後、目的部位(足趾側か足底か)に応じた修正位置決め画像を撮像します。
3方向ともに中足骨が確認できたところで本撮像にうつります。
中足骨を横断像で1断面に収めるのは困難なため、目的部位がわかっている、もしくはSTIRなどで炎症部位が特定できれば、目的の足趾が広く描出できるようなスライス面に設定します。

「リウマチの患者さんの両手を撮像するときも両手挙上ですか。」
手下げで撮る場合の例をご紹介します。
この場合は両大腿に手をのせ、その上にコイルを置いて固定します。
上腕の下にタオルを敷いて、上からバンド固定することで、腕が疲れません。
上半身も少しあげておくと楽な様です。
手台を自作して大腿の上に設置するという方法もあり、多くの施設で工夫して撮像されております。
次にうつぶせで撮る場合の例をご紹介します。
この場合は乳腺検査用のコイル台を用いることで、呼吸が楽な状態で両手挙上のうつ伏せ姿勢をとることができます。
お持ちのコイルやアイテムの問題、また準備にかかる手間や時間制限もありますので、主治医や放射線科医とも相談しながら検討できるとよいと思います。
手下げで撮る場合の例をご紹介します。
この場合は両大腿に手をのせ、その上にコイルを置いて固定します。
上腕の下にタオルを敷いて、上からバンド固定することで、腕が疲れません。
上半身も少しあげておくと楽な様です。
手台を自作して大腿の上に設置するという方法もあり、多くの施設で工夫して撮像されております。
次にうつぶせで撮る場合の例をご紹介します。
この場合は乳腺検査用のコイル台を用いることで、呼吸が楽な状態で両手挙上のうつ伏せ姿勢をとることができます。
お持ちのコイルやアイテムの問題、また準備にかかる手間や時間制限もありますので、主治医や放射線科医とも相談しながら検討できるとよいと思います。

「創外固定をしている患者さんの撮像はどうしていますか。」
創外固定された患者さんを撮像している施設はyouth内では少なく、ポジショニングの紹介はできません。
医師側も金属という認識でオーダーされないのかもしれません。
固定具に関してはASTM規格に従い、各メーカーが「MR safe」から「MR conditional」に変更しているようです。
撮像条件の制限や監視が必要で、フレームをガントリー内に入れての撮像は要相談となるかと思います。
創外固定された患者さんを撮像している施設はyouth内では少なく、ポジショニングの紹介はできません。
医師側も金属という認識でオーダーされないのかもしれません。
固定具に関してはASTM規格に従い、各メーカーが「MR safe」から「MR conditional」に変更しているようです。
撮像条件の制限や監視が必要で、フレームをガントリー内に入れての撮像は要相談となるかと思います。
